解決方法1 底地を売却
底地の売却について、長年保有し続けた地主が底地を手放す際に、底地売却を選択するケースとして「相続」「管理が面倒」「借地人との関係性」の以上3つがあります。
1相続税が払えず、売却して税金の支払いに当てる。
2借地人が多すぎたり、借地人との関係性が悪く管理しきれないため、底地を売却したい。
3自分で底地を管理するのが難しくなった。
順番にみていきましょう。
代々続く地主の方に多いのは、生前子供に自身の保有する、底地を含めた財産について話していないというものです。
地主の中には代々守り続けている土地という意識が強い方がいます。そのため将来担ってもらう子供に口を挟ませなかったり、状況を話しておかない、ということがあるのです。そうなると相続が発生後に急に子どもたちは状況を知ることとなり、困った相続人があわてて底地を売却するという事態が生じます。
底地を処分する方法は底地を単独で売却する以外にもいくつかありますが、他の方法は時間がかかるケースが殆どで、時間が限られる場合は底地を買取会社等へ売却するしか手段がないのが現状なのです。
それでは底地の単独売却の場合、底地はいくらで売れるでしょうか。
こういった時間がない場合はやはり買取会社への売却となり、価格としては所有権で販売した場合のおおよそ1割から2割前後となります。
条件にもよるが、住宅地だと借地権割合は6〜7割(借地人の割合が6割〜7割、地主の割合が3割〜4割)そこから借地権買取会社が買取後に販売するための手間や費用・利益を差し引いて逆算すると、地主からの買取価格は1〜2割程度となってしまいます。実際の資産価値が低く、相続時の評価額と比較しても乖離があることも悩ましい点です。
ここでお気づきの方もいるかと思いますが、底地をその借地権を設定している借地人に買ってもらえば高く買ってもらえるのではと考える方もいるかもしれません。借地人がタイミングよく地主の売りたいタイミングで買ってくれればいいのですが、相続税の支払いのための売却だと期限が限られてきます。双方のタイミング噛み合わない場合だとこれは成立しません。
次に借地人が多い場合です。
借地人が少ないケースでは、当事者の考えを時間をかけてまとめていくことで、同時売却や等価交換など他の手法も視野に入ります。借地人が複数いるとそもそも「親からもらったものを売却をしたくない」、「売却して早くお金にしたい」、「売却してお金にしたいがタイミングは今ではない」等意見が分かれる場合があるのです。地主だけの意向だけではなく借地人の意向もまとめなければならず、借地人の当事者が多いと同時売却はむずかくなります。結果底地のみの売却に至るというケースです。
自身での管理が難しくなる場合
管理が難しくなるケースとしては、ご自身が高齢になってきた場合と、相続で引き継いだが自身の仕事もある中で管理を並行して続けるのは難しいといった場合があります。
豊島区に底地を持つ地主さんは2代目で兄弟で所有。底地の近くの同じ駅の商店街で商売をしながら自分で底地を管理していました。年齢も高齢になり、子供のことを考えると自身が底地を相続して大変だったということもあって、子供には引き継がせずに生前に底地を整理したいと考えました。借地には12件ほどあり借地人と各々話を進めていくことも大変なため底地の売却に至りました。
こうした高齢化によって自身での管理が難しくなったり、将来子供に負担をかけたくないといった形で売却を選ぶケースもあります。ですので出来れば、生前に親子できちんと底地について話をしてみてはいかがでしょうか。
底地を受け継ぐ方の意見を聞いて、底地をどうしたいのか意向を探ることは重要です。もし底地を受け継いでいく意志があるようであれば代替わりの準備として、相続前に親子で契約内容の確認や契約書の締結や借地人さんへの挨拶などを行うことで子供へのバトンタッチがスムーズに進むでしょう。
まとめ
ここまで底地売却についてまとめると
底地単独売却を判断するキーワードとして「相続」「管理が面倒」「借地人との関係性が悪い」
相続税との比較すると資産価値が低い
急いでいる際は、買取会社になる。
借地人に売却も可能だが時期タイミングが合わないこともある。
メリット
買取会社への売却により短期に現金化が可能である。
借地人との関係性および手間から開放される
デメリット
売却金額は低額となる(所有権価格の1−2割程度)
市場性がない場合は売却ができない場合も