底地の問題解決方法4 等価交換
等価交換とはお互いの同意のもと不動産の交換を行う手法のことです。
借地権に関する等価交換は、地主と借地人との間にて底地と借地権を交換して、それぞれが所有権化するという手続きと、等価交換マンションという2つがあります。どちらも複雑な権利関係が解消されることで、売買等も比較的進めやすくなります。
1底地と借地権の等価交換
地主と借地人の分配の割合は、個別の条件によって異なります。ただし、ここで必要となるのは交換後においてそれぞれがある程度活用できる土地の広さが求められるため、底地の広さや、用途地域などの一定の要件を満たす必要があります。交換後の土地がほんの数坪になってしまうと活用の方法がなくなってしまいますよね。
わかりやすく、例えば100坪の底地・借地権(借地権割合が70%)があった場合、
地主が持つ70%の底地権と借地人がもつ30%の借地権を交換することで、地主は30坪の所有権土地、借地人は70坪の土地の所有権をもつことが可能となります。
所有権であれば底地権・借地権でもっているよりも売買しやすいため、今後の相続人が手続きや対処がしやすくなります。
相続時の観点から底地借地権の等価交換は税制上のメリットがあります。
交換についての特例(固定資産の交換の特例)で、第三者間において交換される場合、その不動産が1年以上所有されていることを条件に、譲渡所得が発生しません。
2等価交換マンション
地主と借地人から土地を提供してもらいデベロッパーなどがマンション建設の事業費用を負担して建設、マンション完成後にそれぞれの出資比率に応じて区分所有マンションを持ち分所有するという方法です。
等価交換マンションの場合底地の所有者が複数いても資産の評価に応じて区分マンションをそれぞれに分配できるため、住戸を分割所有し、遺産分割対策できることがメリットとなります。
ただし、等価交換マンションの手法は、資産価値があがるため節税効果は薄いこと、マンション建設が可能となるための敷地面積(概算100坪以上)の確保、用途地域(近隣商業地域・商業地域)など中層以上の建設可能なエリアなどの条件を満たす必要があります。加えてこの方法の場合、建設完成まで数年を要するため時間的な余裕があることも条件となります。
まとめ
等価交換は2つの手法があり①「底地と借地権を交換する」②「等価交換マンション」
①「底地と借地権を交換する」
地主と借地人との間で割合に応じて各々所有している借地権底地権を相手と交換することで所有権化する方法
②「等価交換マンション」
複数の借地権者や底地権をもった地主から土地を提供してもらいディベロッパーがマンション建設をおこなう、出資(提供した資産)した割合に応じて区分所有マンションを分配
等価交換のメリット・デメリット
メリット
①底地権者が複数いる場合でも分割しやすい資産となる。
②資産価値を高めることができる。
デメリット
①敷地の広さや用途地域などの一定の要件を満たす必要がある。
②等価交換マンションの場合はマンション建設までの時間的余裕が必要となる。