共有名義不動産(共有持分)とは?
共有持分とは親族や夫婦などの複数人で共同で所有・管理する不動産等の財産の共有者ごとの所有割合のことをいいます。
親が建物や不動産をもっていて子供が自分を含め複数いる場合などで相続でひつの不動産を兄弟など複数人で所有しているのが「共有」している状態で、共有物は不動産や建物以外にも車やパソコンなどの財産等をいい、共有物に対して各共有者が持つ所有権を前述した「共有持分」とよびます。この持ち分の割合は等分が原則ですが、出した金額により割合が変化する場合があります。通常兄弟三人で車を所有していたら3分の1ずつの共有持分ですが、購入時に長男が6割のお金を出して残りを弟たちが同じ分ずつ出したなら、持分割合は兄5分の3 次男5分の1 三男5分の1となります。
共有物はさまざまありますが、建物や土地といった不動産に関する共有物を共有名義不動産をよびます。
相続が発生したらその時点で共有名義になる。
共有名義不動産と相続についてですが、相続が発生した瞬間に、被相続人の所有していた不動産は相続人の共有物になるからです。
つまり、「妻と子供がいる夫が亡くなった。」このタイミング(瞬間)に住まいである所有している不動産は妻と子どもたちの共有名義不動産という状態になるのです。
その後遺言書が見つかり、「住まいは妻に相続する」という内容で法定相続人が納得した形で住まいを妻に相続手続きが完了すればこの時点で共有名義から単独名義になります。遺言書があったとしても法定相続人である子供にも法律上の相続する権利(遺留分)があります。
共有名義不動産は世代を超えて増殖していく。
共有名義不動産のトラブルでややこしいのが共有者が多数いるという問題です。
ある一人が不動産を所有、その方がなくなり、3人の子供に相続、更に時間が経過しその3人も亡くなります。そうすると3人の子供の妻や子供に相続。その後さらに下の代ヘと。
こうなると代を経る毎に共有者はすごい数に増えていきます。
一人がこの共有名義不動産を売却しようとしたら実は共有者が10人を超えていた、しかも住んでいるのは日本全国に散らばっており、連絡も取れない人もいる。こうなるとこの不動産はだれも手がつけられなくなり、放置されたまま。という事になってしまいます。現状でこの状態でさらに放置されるのですから将来はどうなっていることやら。
共有名義が第三者のもとに
共有名義不動産について、実はご自身の持ち分だけであれば他の共有者たちに関係なくご自身の判断だけで売却する事が可能なのです。
最初は家族間だけの話し合いだけで解決を図るのであればなんとかなりそうですが、第三者である他者へ譲渡されてしまったとなると、共有関係はさらに複雑化し、不動産全部を売却しようとしたときには非常に手間取り、通常の話し合いでは折り合いがつかず裁判所などの外部の機関を通じて対応しなければならなくなるなどの可能性もでてきます。こうなると時間も費用もかかり一筋縄で解決にはいたらなくなります。
ここは底地借地権についてのサイトですが、共有名義不動産はこの底地借地権についても出てくる内容です。それはなぜかというと、相続が発生すると共有名義、共有持分は自然と発生してきますので底地借地権にも関連せざるをえないんですね。
「底地借地権」「共有名義不動産」これらは各々それぞれであっても複雑な問題を抱えているのですが、それが合わさって関係しあってくるとなると更に複雑でトラブルになりそうですよね。ですので「共有持分」「共有名義不動産」についてもシリーズとしてこのあと詳しくお話できればとおもいます。
共有持分は相続だけでなく、離婚や親族間など親しい家族の間で問題となり解決の糸口がつかめないまま時間が経過することで更に複雑化してくものです。
この共有持分(共有名義不動産)について理解して、トラブル解消にむけ一緒に取り組んでいきましょう