ものがたりで底地借地を学ぶ知るシリーズ
奥田正子(69歳)は、十年以上前から三か所の底地を持っている。いずれも父から相続したもので、それぞれ別々の借地人が住んでいる。地代の受け取り、契約の確認、固定資産税の支払い——年々、管理の手間が重なるようになってきた。
「正直、面倒になってきました」と正子は専門家に打ち明けた。「地代の振込先が変わったり、借地人から問い合わせが来たりするたびに対応しなければならない。年をとってきて、自分で管理し続けることに不安を感じています」
専門家は、底地管理の負担を軽減するための選択肢をいくつか整理してくれた。
一つ目は、底地管理を専門会社に委託する方法だ。底地・借地権の管理を専門とする不動産会社に委託すると、地代の集金、借地人との連絡対応、契約更新の管理などをまとめて任せられる。管理費用は地代収入の五パーセントから十パーセント程度が目安だ。収入が少し減るが、手間とストレスから解放される点が大きなメリットだ。
二つ目は、底地を売却する方法だ。底地単独での売却は価格が低くなりがちだが、借地人に買取を打診する方法、投資家に売却する方法、借地人と共同売却する方法がある。正子のように複数の底地を持つ場合、まず管理が最も負担になっているものから順に整理するという考え方もある。
「管理委託と売却、どちらがいいですか」と正子は聞いた。「すぐに現金が必要でなければ、まず管理委託で負担を減らしながら、借地人との関係を見極めてから売却を検討するというステップが現実的です。一方、老後の資金として現金化したい場合は、借地人への買取打診から始めるのがお勧めです」
正子は三か所のうち、最も古い契約で借地人が高齢の一か所について、まず管理委託を試みることにした。もう一か所については、借地人の息子さんに買取の意思があるかどうかを確認することにした。
専門会社に委託してから三ヶ月が経つ頃、正子は「こんなに楽になるとは思わなかった」と感じた。地代の入金確認も、借地人からの問い合わせ対応も、すべて会社が窓口になってくれる。
【この記事で学べること】
底地の管理負担は、年をとるほど重くなる。管理委託・売却・買取打診——自分の状況に合った方法を早めに選ぶことが、老後の安心につながる。一人で抱え込まず、専門家に相談することが最初の一歩だ。




