底地の問題解決方法5 地代の値上げ
先祖代々保有してきた土地を手放せない、親の代から相続したものを周囲の目があり売却することに躊躇する、といったケースについては「地代の値上げ」をおこなうことで収益性を高めることが出来ます。
こういったケースの場合、地主は複数の底地を保有しており、自身は高齢で子供たちは近くに住んでいないといった事情があります。借地人に個別に地代の交渉を進めるとなると手間が多く期間もかかるため、管理を委託して不動産管理会社などに交渉を進めてもらうことが良いでしょう。
地価が高い土地の場合、固定資産税や都市契約税の支払い金額が上昇し年間の地代が固都税の3倍を切るケースはよくあります。このような場合、毎年地代の値上げの交渉を行うのはやはり負担となってしまいます。
不動産会社を通じての交渉では、根拠をもった適正な地代を提示します。土地についての増税や周辺相場などの客観的根拠を示して説明をしましょう。
契約内容についても変更を行い、地代の計算式を追加、年度ごと(例えば3年ごとなど)に土地の評価額に連動した計算法や、個別の地代の計算に基づいた金額に自動改定するよう変更し、地主の手間を省けるようにすると良いでしょう。
また地代の値上げだけでなく、底地権者の高齢化によるリスクに備えることも大切です。地主の中には高齢で亡くなったり、認知症などで自己判断が出来なくなるケースもあり、その際には依頼主である地主の配偶者や子供に契約内容を共有します。
高齢者が一人で底地を管理しており認知症になったケースでは家族が契約状況やこれまでの経緯がわからず苦労したということに遭遇する場合も少なくありません。
「地代値上げと引き継ぎ」のためのステップ
地代の値上げについてまとめると、保有し続けるため(資産価値)収益性を高めることを念頭におき、
1契約書を作成
2地代の値上げ交渉については適正地代の根拠を明示しながら行う。
3今後のために、地代の計算式および、地代の自動改訂を契約書に。
4次の管理者への引き継ぎを(外部委託もふくめ)準備しておく。
底地を持つ地主は次の管理者となる家族が資産を引き継いだ後、相続税や管理で困らないように準備をすすめることが重要になります。
相続はいつ起こるかわかりません。大事なのは今保有している不動産をいかにコントロールしておくかということです。